平成24年度情報処理学会中国支部イブニングセミナー
「身近な最先端をあなたに−錯覚学・時間哲学と情報処理−」

日時: 2012年12月13日(木) 16:00〜17:50
場所: 広島市まちづくり市民交流プラザ 北棟5階研修室B          
(広島市中区袋町6番36号)
概要:  情報技術に関連する幅広い話題を分かり易く,市民や大学生・高校生等に提供することを目的として,昨年度より情報処理学会中国支部ではイブニングセミナーを開催しております.第2回目の今回は,時間・言語・自由・心身を哲学の観点から考察を続けておられる青山拓央准教授と,錯覚学,時間学のわかりやすい解説でTV番組にも出演されている一川誠准教授をお迎えして,これら情報技術とは異なる分野から情報という物をとらえた大変示唆に富んだ話題をお話しいただきます.
講演内容:

幸福・知識・時間

青山拓央 准教授 (山口大学時間学研究所)

講演者による内容説明:幸福であることは,幸福を感じることと,完全に同じではありません.そこにはズレがあり,そのズレがいくつかの悩みをもたらします.たとえば現在の生活に何か足りないものがある,という「情報」の扱いについて.幸福感が幸福のすべてなら,そうした情報を遮断することで,現状に充足する道が開かれます.しかし他方では,そうした情報による不充足のもとで,上昇を目指す道もあります.これはどちらか一方だけが正しい道というわけではなく,私たちに必要なのはおそらく,両者のバランスをとることです.今回は哲学の観点から,知識や時間との関係をもとに,こうした問題を考えてみます.

錯視の心理学と情報処理

一川 誠 准教授 (千葉大学文学部)

講演者による内容説明:観察対象の物理的特性とその観察の結果生じた知覚内容との違いを「錯視」と呼ぶ.錯視は我々の視覚系が「いいかげん」であることによって生じるのではなく,むしろ,我々の視覚系における情報処理過程が特定の規則にしたがって偏倚していることに基づいて生じる.対象の空間的特性や時間的特性に関する錯視に関する実験心理学的研究の成果を紹介することを通して,我々の視覚系が進化の過程で採択してきた情報処理的特性や規則性,それらの適応的意義について解説する.また,我々の視覚系が持つ特性から生じる種々の危険性と可能性についても議論する.

スケジュール:
15:40 受付開始
16:05-16:50 幸福・知識・時間(講師:青山拓央 准教授)
17:05-17:50 錯視の心理学と情報処理(講師:一川 誠 准教授)
参加費: 無料
定員: 50名
主催: 情報処理学会中国支部
共催: 電気設備学会中国支部,映像情報メディア学会中国支部,
電気学会中国支部,照明学会中国支部,電子情報通信学会中国支部
問い合わせ先: 情報処理学会中国支部事務局 長 篤志
Tel: 0836-85-9713
E-Mail:osaa@yamaguchi-u.ac.jp