第11回 四国照明デザインコンテスト報告

四国支部では、次世代の照明デザイン人材育成および光環境への関心向上を目的として、第11回四国照明デザインコンテストを開催した。本年度は「平和のあかり」をテーマに作品を募集し、書類審査によるアイデアデザインコンテストでは独創的な提案7件を入賞作品として選定した。入賞チームは試作品を製作し、アイデア実現コンテスト(プレゼンテーション大会)において発表を行った。大会はオンライン会議システムを用いて実施し、最優秀賞、アイデア賞のほか、特別賞として電気学会四国支部賞および日亜化学工業賞を授与した。

1.開催概要

【日時】 2025年11月29日 9:00~12:30

【開催形式】 オンライン開催

【テーマ】 平和のあかり

【参加校】

【実施内容】
各チームが作品のコンセプト、設計意図、製作過程、技術的工夫について発表し、その後審査委員との質疑応答を行った。オンライン開催であったが、作品紹介動画や実演を通じて、光の表現や空間演出の効果を十分に確認することができた。

2.審査結果

最優秀賞は「平和を照らす竹と花」(チーム:かぐや姫、愛媛県立松山工業高等学校)が受賞した。本年度は、平和を象徴するモチーフを光で表現する提案が多く見られ、象徴性・メッセージ性・空間演出の観点から多様な作品が発表された。

受賞作品一覧

作品名 チーム名/学校名
最優秀賞 平和を照らす竹と花 かぐや姫
/愛媛県立松山工業高等学校
アイデア賞 折り鶴の灯プロジェクト 折鶴の灯プロジェクト実行委員会
/徳島県立徳島科学技術高等学校
電気学会四国支部賞 平和の芽 情報電子部 ― G班
/愛媛県立新居浜工業高等学校
日亜化学工業賞 ピースバラ チームバラバラ
/徳島県立徳島科学技術高等学校
入賞(順不同) 和ライト こめにかゆ
/徳島県立徳島科学技術高等学校
入賞(順不同) 灯羽―とうは― 情報電子部 ― D班
/愛媛県立新居浜工業高等学校
入賞(順不同) 平和を祈るキャンドルの灯り ちゃらんぽらん
/高知県立高知工業高等高校

3.作品紹介

アイデアデザインコンテスト(応募書類による審査)で入賞したすべての作品について、応募書類のスケッチを右に、デザインに基づいて試作品を製作したアイデア実現コンテストの完成作品の写真を左に示す。

※以下の作品の写真は各学校から提供していただいた。また作品のスケッチは書類審査の応募書類からそのまま転載させていただいた。

【最優秀賞】平和を照らす竹と花


平和を照らす竹と花(チーム:かぐや姫/愛媛県立松山工業高等学校)

竹材と花を組み合わせ、自然素材の質感と光の透過・配光を活かして「平和」の情景を立体的に表現した。複数の光色・模様の演出により、見る方向によって印象が変化する点が評価された。

【アイデア賞】折り鶴の灯プロジェクト


折り鶴の灯プロジェクト(チーム:折鶴の灯プロジェクト実行委員会/徳島県立徳島科学技術高等学校)

折り鶴という平和の象徴を、光の装置として成立させた提案である。構造(折り)と光の見え方が一体となっており、コンセプトの明快さとアイデア性が高く評価された。

【電気学会四国支部賞】平和の芽


平和の芽(チーム:情報電子部 ― G班/愛媛県立新居浜工業高等学校)

屋外利用を想定した自立型の照明提案であり、植物(芽)をモチーフにした造形と照射方向の工夫が特徴である。実装を意識した構成が評価され、電気学会四国支部賞として選定された。

【日亜化学工業賞】ピースバラ


ピースバラ(チーム:チームバラバラ/徳島県立徳島科学技術高等学校)

バラをモチーフに、人感センサー等の機能を組み合わせた提案である。意匠性と機能性の両立が評価され、日亜化学工業賞として選定された。

【入賞】和ライト


和ライト(チーム:こめにかゆ/徳島県立徳島科学技術高等学校)

和の情緒を感じさせる光の演出を意図した照明提案である。複数案の検討やスケッチを通して、光の表現を比較しながらまとめられていた。

【入賞】灯羽―とうは―


灯羽―とうは―(チーム:情報電子部 ― D班/愛媛県立新居浜工業高等学校)

鳥の造形を用い、やわらかな光で安心感を与えることを狙った提案である。家庭内での使用を想定し、調光や取り扱いのしやすさにも配慮した構成が示された。

【入賞】平和を祈るキャンドルの灯り


平和を祈るキャンドルの灯り(チーム:ちゃらんぽらん/高知県立高知工業高等高校)

キャンドルの灯りを想起させる柔らかな光で、祈りや安らぎの空間を表現した提案である。透明素材内の装飾と点光源の組合せにより、奥行き感のある光景が得られる。

4.審査講評

本年度は「平和のあかり」をテーマとして、象徴的モチーフを光によって可視化する提案が多数発表された。自然素材や折りの構造、透明素材内部の演出など、素材と光の関係性を丁寧に設計した作品が高い評価につながった。今後は、照度・配光の検討、安全性や耐久性、電源・回路構成の説明など、実用化を見据えた整理が進むことで、提案の説得力がさらに高まると期待される。オンライン開催ではあったが、各チームの創意に富んだ発表により、光が持つ表現力や空間演出の可能性を改めて実感する機会となった。

5.謝辞

参加校の生徒の皆様、指導教員の先生方、審査委員各位ならびに関係者の皆様のご協力により、有意義なコンテストを開催することができた。心より感謝申し上げます。