平成22年度東京支部施設見学会報告
美術館の照明を見る 〜 その1.山種美術館 / その2.根津美術館

 東京支部では毎年、照明で話題を集めている施設の見学会を企画開催している。 今回は「美術館の照明を見る」と題し、平成21年照明普及賞受賞の施設で、LEDを中心とした新しい光源の活用事例として注目されている山種美術館と根津美術館を2回に分けて見学会を実施、以下にその実施概要を報告する。

その1. 山種美術館見学

実施日:平成23年2月9日 16:30〜18:00 参加者16名

 
 企画展 『歴史を描く−松園・古径・靫彦・青邨−』を自由見学した後、閉館時間後特別に山種美術館の櫛淵学芸員による企画展の作品解説とパナソニック電工の藤原さんのLEDを使用した展示照明の工夫、注力点を丁寧に解説いただきながら見学を行なった。特に、普段見られない展示ケース内部のLED照明器具を見せていただき、LEDならではできた展示ケース内の省スペース化、外部から照明器具が見えないようにする拘りを実現できたことなど、興味深い話を聞くことが出来た。

 見学修了後 ロビーの一角をお借りして海宝副支部長の司会で交流ミーティングを行い、短い時間であったが、会員間の交流が行なうことができた。


見学風景(展示ケース内部を側面より覗く)


交流ミーティング


交流ミーティング


交流ミーティング 藤原さんと櫛淵さん

その2.根津美術館見学

実施日:平成23年3月2日 15:00〜17:00 参加者27名

 
 2月9日の山種美術館に引き続いて、3月2日に根津美術館の見学会を実施した。各回とも見学される熱心な方も多く、少し定員をオーバーしたが美術館の厚意に甘えて39名で見学させていただいた。

 最初に地階の講堂をお借りして、山種美術館の概要について学芸課長の白原さんに解説いただき、その後、本美術館の設計に携られた隈研吾建築都市設計事務所の弥田設計室長に建築と照明の概要について、パナソニック電工の田中さんより照明環境について数値的なデータを用いた解説をいただいた。

 その後、イヤホンガイドを利用し、弥田さんに建築とLEDや光ファイバー等を駆使した、きめの細かい展示照明について解説いただきながら館内の見学をおこなった。折りを見て白原学芸課長に企画展『古鏡とひなかざり展』展示作品の見どころなど解説を交えていただいた。

 見学修了後、再び講堂において海宝副支部長の司会で交流ミーティングを行い、短い時間であったが海宝副支部長の感想に対する弥田さん、白原学芸課長の対応や参加者からの質問が活発に行なわれ、会員間の交流を行なうことができた。


隈事務所 弥田さんの解説


見学風景


交流ミーティング


交流ミーティング 海宝さんと弥田さん

 今期企画の「美術館の照明を見る」の2箇所の美術館見学を通して、美術館照明手法の緻密さ、建物、周囲環境との高いレベルでの調和の重要さを実感でき、かつLED光源が果たす役割、今後の展望に期待が持てることを実感できたことは大変有意義であった。あわせて見学後に交流ミーティングを実施することで、主催者、講師、参加者の情報交流を図ることができ、東京支部の期初の目標である「学びの場、交流の場の提供」に貢献できたことを幸いに思う。

 最後に文末で誠に非礼ながら、今回の見学会にご協力いただいた関係の皆様に、記して謝意を表します。

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