照明学会東京支部の節電環境ワーキング(以下WG)では、2011年から大震災後に課題となった緊急節電による照明環境の実態調査活動を行い、昨年3月にその成果を技術セミナーで発表を行いました。
本年度も継続的にその活動をすすめながら、震災を機に高まっている各方面からの照明のあり方や再検討などの意見も視野に、建築学会との連携や大学研究室、企業団体等の協力も得て、より広い知見を共有するべく調査を実施し、その結果を踏まえ「もうはじまっている これからのあかり」と題して、調査活動の成果発表を中心に、省エネ関連の2つのテーマも加えた技術セミナーを開催しました。
平成25年3月15日(金) 13:00〜17:00
日本大学理工学部 CSTホール 東京都千代田区神田駿河台1-8-14
42名
WG中尾委員(日建設計)の司会進行で、冒頭にWG小山主査(コヤマケンタロウデザイン事務所)より開会挨拶と今回の節電環境調査WGの活動概要、技術セミナーの主旨を説明。
①「体育館施設」 WG 山田幹事(岩崎電気)
東日本大震災後の東京都内の体育館照明施設の状況、HID⇒LED化の流れとその課題や克服手法の取り組みについて事例を交え報告。
②「商業施設施」 WG 鈴木委員(遠藤照明)
昨年の商業施設事例報告に引き続きその2として①同様に震災後の商業施設の照明施設の事例を紹介。
③「オフィス照明」 WG 吉澤オブザーバー(東京理科大学)
建築学会との合同推進の執務者アンケート調査の状況、分析の報告。
④「ライトアップ調査」 WG 鈴野幹事(竹中工務店)
建物に付随するライトアップの事例のアンケート調査とその分析結果を報告。
照明学会適正交換指針作成委員会の野田 高季 氏(パナソニック)より報告。 本指針の概要、作成の趣旨と適正交換の実施による省エネへの貢献、特にストック市場において大きなウェイトを占める磁気回路式の蛍光灯のインバーター化、LEDを中心としたSSL化の重要性を解説。
WG 海宝オブザーバー(日建設計)より本講演の設定に至った経緯、趣旨等の解説。 その後8つの建築設計事務所による取り組み事例について、それぞれに講演をいただきました。
①大林組技術研究所本館の節電照明設備 | 大林組 水井 啓喜 氏 |
②鹿島技術研究所、本館研究棟、鹿島KIビルZEB化改修 | 鹿島建設 上村 健 氏 |
③スマートワークプレイスにおける照明制御と省エネルギー性能 | 清水建設 大塚 俊裕 氏 |
④節電環境下における光環境質向上の検討、および次世代人検知センサーを使った節電手法 | 大成建設 市原 真希 氏 |
⑤「人にやさしい」光環境の実オフィスへの展開 | 竹中工務店 黒木 友裕 氏 |
⑥最近の竣工事例におけるテナントオフィス照明計画 | 日本設計 吉崎 大助 氏 |
⑦新キャンパスにおける照明電力削減手法 | 三菱地所設計 宇多 聡子 氏 |
⑧長野D本社ビル計画 | 日建設計 中尾 理沙 氏 |
ここでの総括としてWG 中村オブザーバー(東京工業大学)より、節電意識の高まりの中で照度を下げた場合の照明の最適化技術についての提言。
その後参加者のからの質疑や興味深い意見交換をおこない、支部活動の目的である交流の場、学びの場の提供に相応しい締めくくりとなりました。
最後は小野支部長(日本大学)による閉会の挨拶。
参加者の方にはアンケートへのご協力により、今後の支部活動と技術セミナー等へ生かすべく貴重な意見も頂き、技術セミナーへのご参加とご協力に感謝いたします。
またタイトなスケジュールの中で予定通りの進行が出来たこと、講師はじめ諸関係者のご支援とご協力に感謝を申し上げます。
開会挨拶とWGの活動概要説明 小山主査
講演1-(1) 学校体育館照明 調査報告 山田幹事
講演1-(3) 商業施設施工例紹介 鈴木委員
講演1-(4) オフィス照明調査報告 吉澤オブザーバー
講演1-(2) ライトアップ消費電力調査報告 鈴野幹事
講演2 照明器具適正交換について 野田講師
講演前半質疑
講演風景
講演3 主旨説明 海宝オブザーバー
事例-(1)大林組 水井講師
事例-(2)鹿島建設 上村講師
事例-(3)清水建設 大塚講師
事例-(4)大成建設 市原講師
事例-(5)竹中工務店 黒木講師
事例-(6)日本設計 吉崎講師
事例-(7)三菱地所設計 宇多講師
事例-(8)日建設計 中尾講師
講演3 総括 中村オブザーバー
全体質疑風景
閉会挨拶 小野支部長