第24回照明フォーラム「 SENSE 〜ココロを刺激する光と音〜」結果報告

 第24回照明フォーラムが2013年10月24日(木)、相互館110タワー 2階セミナールームにて開催されました。テーマは「SENSE 〜ココロを刺激する光と音〜」です。
 現代の世界は外部からの刺激にあふれ、私たちは様々なかたちでその刺激を吸収し、たくさんの「感覚」が動かされています。照明においてもヒトの感性に訴える「感覚」の新しい価値が次々と生み出されています。ココロを刺激する新たな感覚の可能性を発見するため、分野の異なる3名の講師の方々に「SENSE-感覚」という観点からご講演頂きました。

 まず、委員企画「ココロシゲキ」を発表しました。
光と音を用い、視覚と聴覚の感覚を研ぎ澄ますような体験を3部構成にて発表しました。光の色の効果を変換した音楽をお聴きいただきながら、1日の光が与える生体リズムへの影響、光の色の空間の体感と生理・心理的な影響のご紹介、そして光の色の違いによる時間感覚の変化を体験頂き、参加者それぞれの感覚が刺激された状態で各講師の方々への講演を聞いて頂きました。

 講師講演1は、勝浦 哲夫 氏 (生理人類学者 / 千葉大学大学院工学研究科デザイン科学専攻 教授)による「光のチカラ」です。光の色温度・照度がヒトのからだに与える影響を、ご自身の様々な実験を通してお話し頂きました。また委員企画の照明による実験「ヒカリドケイ」に関して光の色がもたらす時間感覚の変化をご説明頂きました。

 講師講演2は、岡安 泉 氏 (照明デザイナー / 岡安泉照明設計事務所 代表)による「感じるひかり」
です。ご自身の手がけられた作品を通して、様々な素材と照明による演出が新しい感覚を引き起こすような光空間をご紹介頂きました。またLED照明や有機ELのための空間の可能性もお話頂きました。

 講師講演3は、井出 祐昭 氏 (サウンド・スペース・コンポーザー / 井出音研究所 所長 / エル・プロデュース代表取締役)による「エネルギー表現としての音」です。科学的な視点による分析、また社会への応用を様々なプロジェクトを通してご説明頂き、音がもつ魅力や空間を通じてヒトのからだに与える新たな可能性をお話頂きました。また委員企画の実験では音源の提供も頂きました。

 小休憩を挟み、最後は、三人の講師によるフリートークと会場からの質疑応答をして頂きました。
それぞれの講師からお互いへの質疑・感想を頂き、分野の異なる立場から研究・デザインへの取り組み方などを伺いました。

 今回のフォーラムでは、台風接近による荒天にもかかわらず88名もの参加がありました。参加者は照明業界、製造業界、建築・建設業界が主でしたが、夜間開催にもかかわらず例年以上に学生の参加もあり、照明分野だけではなく音や心理の異分野コラボのテーマを用いたことで、普段聞くことができないような内容の濃い講演だったなどご好評頂きました。「ココロを刺激する」という視点より来場者の方に光や音による感覚的な体験をして頂き、よりフォーラムの内容を興味深く集中して聞いて頂けました。光や音の新たな発見は、そこから創造される社会への新たな応用を期待させる未知の可能性を感じることができたのではないかと思います。

 フォーラム開催にあたり、会場のご提供を頂きました株式会社イトーキ様、また委員企画の照明演出にて器具の提供を頂きましたカラーキネティクス・ジャパン株式会社様に心より御礼を申し上げます。

照明フォーラム企画委員会では、今後も時代に即したテーマを取り上げていきたいと思います。来年度も是非ご期待ください。

YouTube:第24回照明フォーラム「 SENSE 〜ココロを刺激する光と音〜」


委員長挨拶


委員企画の発表(木村,高橋(典),高橋(洵),山梨)


Led光源色の変化によるイチニチノヒカリ


イロイロナヒカリ 赤


イロイロナヒカリ 緑


イロイロナヒカリ 青


ヒカリドケイ 色による感覚影響の体感テスト


勝浦哲夫講師 


岡安泉講師


井出祐昭講師


トークセッション風景


海宝支部長閉会挨拶

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