平成26年度東京支部　技術セミナー開催報告
～これまでのあかり　これからのあかり～　節電環境ＷＧ調査活動報告と事例紹介

　照明学会東京支部の節電環境ワーキングでは、2011年から3年にわたり照明環境の実態調査活動を行っています。調査は、大学研究室、企業団体等の協力と建築学会の連携も得ながら、これまでの照明のあり方やこれからの新しい照明の進め方などを、より広い知見を共有できるよう多方面にテーマを広げています。
　今回は「これまでのあかりこれからのあかり」と題して、この継続的な活動からの成果発表を中心にした技術セミナーを開催しました。

【日時】

平成26年4月15日(火)　13：30～17：00

【場所】

NSRIホール　東京都千代田区飯田橋2-7-5　明治安田生命飯田橋ビル2階

【参加者】

67名

【実施内容】

節電環境ワーキングの伊藤幹事(ものつくり大学)の司会進行で、冒頭にＷＧ小山主査(コヤマケンタロウデザイン事務所)より開会挨拶と今回の節電環境調査ＷＧの活動概要、技術セミナーの主旨を説明。

講演１．「節電環境ワーキング調査報告」　13：35～14：20

「駅舎の照明」　ＷＧ幹事　ものつくり大学　伊藤大輔氏　　
東日本大震災に伴う節電時の駅舎照明の実態調査として、2011-2013年の駅舎の階段、コンコース照明の点灯率の変遷の調査結果が報告された。
「都市景観の照明」　ＷＧ幹事　岩崎電気(株)　山田哲司氏　　
都市景観(ライトアップ)照明の実態調査として、ライトアップ施設の印象評価実験結果と光学解析結果について報告された。
「オフィスの照明」　ＷＧ幹事　(株)日建設計　篠原奈緒子氏　　
建築学会との合同推進の執務者アンケート調査および照度変遷調査の概要について報告された。
「照明シミュレーションプログラム」　ＷＧ幹事　(株)竹中工務店　鈴野徳之氏
照明シミュレーションプログラムの活用状況のアンケート調査結果について報告された。

講演２．「オフィス照明　これまでのあかり　これからのあかり」

「オフィス照明環境の変遷に関する調査」ＷＧ委員　東海大学　谷口智子氏　
オフィス照明環境の変遷について、照度変化と電気料金や器具効率、経済状況の観点から分析した調査結果について報告がされた。
「これからのオフィス照明」　ＷＧ委員　千葉工業大学　望月悦子氏　
建築学会と合同で実施した、震災後のオフィスの執務者アンケート結果から、今後のオフィス照明のあり方についての考察結果について報告がされた。

講演３．「照明シミュレーションのこれから」

「照明シミュレーションプログラムの計算精度」　ＷＧオブザーバ　東京理科大学　吉澤望氏
照明シミュレーションプログラムの計算精度について、代表的な４つのシミュレーションソフトを用いて、CIEで提案されているテストケースを用いた計算精度の検証結果について報告がされた。
「照明シミュレーションのこれから」　WGオブザーバ　東京工業大学　中村芳樹氏
視環境に求められる要件と照度・輝度との関係から、現在の照明計画、照明設計の問題点を指摘し、照明シミュレーションのこれからについて、新しい設計・評価技術を交えて紹介がされた。

　各講演の間には、参加者からの質疑の時間が設けられ、興味深い意見交換をおこない、支部活動の目的である交流の場、学びの場の提供に相応しい技術セミナーとなりました。
　最後は海宝支部長(日建設計)から、閉会の挨拶として節電ワーキングの3年間の総括と今後の展望を述べました。

　参加者の方にはアンケートへのご協力により、今後の支部活動と技術セミナー等へ生かすべく貴重な意見も頂き、技術セミナーへのご参加とご協力に感謝いたします。
　またタイトなスケジュールの中で予定通りの進行が出来たこと、講師はじめ諸関係者のご支援とご協力に感謝を申し上げます。

開会挨拶とＷＧの活動概要説明　小山主査