2019年度照明学会東京支部 施設見学会報告
「 あたらしい照明施設をみる 」〜神田明神文化交流館の照明〜

 東京支部では毎年、照明で話題を集めている施設の見学会を企画開催している。今回は2018年に照明普及賞を受賞した「神田明神文化交流館」の見学会を開催した。参拝者や観光客、さらに外国からの来訪者に日本の伝統文化を伝えることを目的とし計画された、神札所・昇殿参拝受付、ホール、会議室、物販の複合施設である。
 当日は、講師の説明により、歴史ある江戸総鎮守神田明神境内に設けられる複合施設ならではの難しさと、計画に盛り込まれた設計者の思いについて理解を深めることができた。以下にその実施概要を報告する。

【実施日】

2019年9月17日(火)

【参加者】

参加者 19名 支部スタッフ 5名 事務局 1名 計 25名

【集合場所】

御茶ノ水レンタルスペースOHANA にて受付・事前説明会を行った。

【講師】

ゾネ 代表 田中 裕美子 氏

鹿島建設株式会社 建築設計本部設備設計統括Gr グループリーダ 太田 浩司 氏

【実施内容】

1.開会〜鈴木事業企画委員長の挨拶
  開催にあたり、鈴木事業企画委員長より、本日の見学会の機会を提供して頂いた神田神社様、神田明神ホール様と、解説者の鹿島建設株式会社太田様、ゾネ田中様へ感謝の意を表した。見学会終了が日没に近い時間であり、見学会終了後の境内の変化も体験いただきたいことに加え、短い時間ではあるが、照明普及賞を受賞した本施設の見学会が、参加者の皆さま方にとって有意義な体験となることを期待している旨を申し上げた。司会担当は木村会計幹事。

2.解説・施設見学
 初めに講師の皆様より施設の概要を約30分間にわたり説明していただいた。まず初めに太田様から、神田明神様の歴史のご紹介、江戸城を起点とした軸線と地理、境内での位置関係等、豊富な写真を活用したわかりやすいご説明があった。引き続き、田中様から、「境内の賑わいの創出」「調和と革新」が求められた設計条件へのアプローチが語られたが、照明デザインの発想プロセスのご説明は非常に興味深い内容であった。また、参加者には、鹿島建設建築設計本部作成の建築作品ブローシャが配布され理解をたすけた。
 講演後、会場を出て神田明神文化交流館へ移動。1Fピロティーから外部階段を利用して2F神田明神ホールへ。貴重なアートの溢れた木造のホアイエは、境内と一体化した開放的な空間となっている。見学会が十分にできるように、特別のご配慮で空き時間として確保いただいた会場を移動し3F調整室を含め、さまざまなイベントに活用できる演出照明、全般照明の説明を受けた。
 その後、4階令和の間に移動。神田神社様を訪れる海外を含む様々な賓客をおもてなしし、日本文化の理解と発信を目的とした施設を見学した。
  最後に1Fの神社受付と商業店舗の外光のあふれる賑わいのある空間とピロティーを見学した。

3.閉会
 司会の木村幹事より東京支部の今後の活動への参加を呼びかけ、最後にご参加いただいた皆様とともに、関係者の皆様へ拍手をもって謝意を申し上げて閉会とした。閉会は1F店舗営業終了時刻前に設定されていたため、閉会後は各自ショッピングも楽しむことができた。境内全体のライトアップにも手が加えられており、日没を迎えた境内の光の調和を体験して散会となった。

 


事前講演会場


鈴木事業企画委員長挨拶


司会の木村幹事


講師の田中様、太田様


設計者の思いが詰まった事前講演会


神田明神ホール アプローチ


神田明神ホール 内部


神田明神ホール ホワイエ


4F海外からの来賓もお迎えする令和の間


ピロティーに設置されたえびす様


 ご参加いただいた皆様をはじめ、神田神社様、神田明神ホール様他関係者皆様のご協力で、とても有意義な見学会となり、当初の予定通り無事終了することができました。改めてお礼申し上げます。

このページの先頭へ