2022年度 東京支部 技術セミナー開催報告
「日本初の高層純木造耐火建築物 大林組次世代研修施設Port Plusの紹介」

照明学会東京支部では照明を中心とした分野における新たなトピックについて,専門の方にご講演いただく技術セミナーを企画しています。今回は、建築時に炭素排出量が少なく地球環境に優しい工法として注目される木造建築に着目し、日本初の高層純木造耐火建築物として建設されたPort Plus大林組横浜研修所についてご紹介しました。ZEB Ready、CASBEE横浜Sランクを自己評価による届出を行い、LEED認証ゴールド、WELL認証プラチナを取得した、サステナブル建築と光環境技術を、実際にご見学いただきながらご説明がありました。

日時

2023年3月22日(水) 15:00~17:00

場 所

Port Plus

参加者

25名

実施内容

 はじめに小山支部長より今回のセミナーについて趣旨説明をいたました。司会進行は篠原庶務幹事です。前半に講演、後半に施設見学のスケジュールで進めました。

 ご講演は3部に分かれての構成でした。最初に建築概要について太田真理様より説明がありました。建物のコンセプト、柱梁として利用しているオメガウッドの詳細、耐火認定取得等の他、施工上での利点について粉塵や埃が発生せずに良好な空気環境が得られた事など興味深いお話がありました。次に大木知佳子様よりLEED認証、WELL認証の説明がありました。認証制度の詳細、取得に向けての昼光を取り入れる工夫等、今後参考になる事が多くありました。最後に照明を中心とした設備について河野暁子様からご説明がありました。照明器具の取り付けに関わる木造ならではの苦労点、緑化に対する工夫、フロアに設置されているサイネージにて様々な情報や環境をコントロールできることなど多くの情報を頂きました。説明の後、2班に分かれて9階から1階まで各フロアを見学しました。説明のあった照明器具の取り付けの実際や調光調色を取り入れた空間などを体感することができました。宿泊室では入眠に対する設備について詳細の説明がありました。センサー類も数多く取り付けられており建物全体で各種データを収集していました。今後そのデータを整理してチューニングしていくとの説明がありました。見学者の多くは写真を撮影しつつも都度質問があったことで、これまでに例のない大規模な木造施設を興味深く見学していたものと思われます。

 最後に藤田委員長が閉会の挨拶と講師の方々ならびに聴講いただいた参加者皆様への謝意を述べ、終了となりました。

 今回は施設見学も合わせた技術セミナーとなり通常とは異なる形となりましたが、前半の詳しい説明の後に見学による体感ができた事で非常に有意義なものとなりました。今後も会員の皆様の関心の高いテーマで開催していきたいと思います。

 また、この機会を提供いただいた株式会社大林組様、ご講演いただいた太田様、大木様、河野様をはじめ諸関係者のご支援とご協力に感謝を申し上げます。

≪セミナーの様子≫


小山支部長 趣旨説明

講師の太田様

講師の大木様

講師の河野様

9階セミナールーム

8階リラクゼーションルーム

7階ワークスペース

6階コミュニケーションルーム

5階キッチンカフェ

4階ワークショップスタジオ

3階プロモーションスペース

3階宿泊室

2階プロモーションスペース

外観

藤田委員長 閉会挨拶

参加者集合写真