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施設名 |
所在地 |
受賞者名(敬称略) |
写真 |
1 |
共創拠点 Root |
東京都大田区 |
株式会社類設計室
株式会社遠藤照明 |
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審査委員からのコメント |
組織設計事務所の新オフィスらしく、照明に関しても随所に新しい試みが盛り込まれている。オフィススペースでは4500×4500のグリッドごとに無線制御システムを用いた照明制御単位を設け、オフィスの使い方に併せて光環境をカスタマイズすることで、心地よい環境を整えつつ、省エネ化も実現している。それぞれコンセプトが設けられた数種類の会議室(アトリエ)では光色と香りを組み合わせた空間や、色温度と気流の流れを組わせた空間など、光環境を整えることで議論の活発化、集中力の向上、メンタルのリラックス効果を狙う興味深い試みも多い。
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2 |
徳洲会ジムナスティクスアリーナ |
神奈川県鎌倉市 |
一般社団法人 徳洲会
株式会社 DESIGNSHIP
株式会社ライティングM |
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審査委員からのコメント |
体操場を中心に体操教室、フィットネスクラブが併設されているが、調光・調色器具や無線制御用の器具を用い、細かなシーン制御が行われている。加えて、間接照明を積極的に用いて木質空間の温かみのある空間創りが、一体感のある大きな家のようなアリーナを演出している。一般的な体操場は機能照明だけになりがちであるが、間接照明や色温度の調整により、体操場とは思えない劇的な空間を創造し、日常から美しさを意識できる光環境を提供している。また、表彰台やトロフィー展示が子供たちに夢を与える環境づくりにも寄与している。
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3 |
淑徳与野中学・高等学校 洗心真館 |
埼玉県さいたま市 |
株式会社佐藤総合計画 |
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審査委員からのコメント |
建築のコンセプトの「大きな木の屋根」「ふたつの器」が照明においても上手く表現されている。剣道場のライン照明もヒノキ材で囲われ、「大きな木」のコンセプトがいきわたっている。建築のフォルムを強調した目を引く照明を実現しつつ、利用者の安心感にも配慮されている。色温度の低い間接照明で温かみのある雰囲気が作られ、剣道場では適切な照度や均斉度が考慮されていることなど、意匠・機能・環境がバランスよくデザインされている。
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4 |
COTEAU MINAMIAZABU |
東京都港区 |
株式会社 竹中工務店 中村太一
株式会社 竹中工務店 横山大貴
株式会社モデュレックス 酒井健吾
株式会社プレステージジャパン 田中周作 |
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審査委員からのコメント |
外国人向けサービスアパートメントとしてグレアや明るさに配慮した照明計画。
バルコニーの住戸両端の特徴的なアッパーライトで勾配のある軒とその奥行の深さという建築特性を活かした照明効果を生み出している。屋内のダウンライトも、光源を低照度低色温度に統一することで、各階水平方向の一体感が高まり、落ち着きとゆとりを感じさせる住宅景観となっている。
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5 |
Forestgate Daikanyama |
東京都渋谷区 |
東急不動産株式会社
株式会社竹中工務店
隈研吾建築都市設計事務所
株式会社東急設計コンサルタント |
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審査委員からのコメント |
植栽や建築から漏れ出した明かりで賑わいを生み出し、木箱を積み上げたような建築構造がシンボリックな夜景をつくりだしている。
エントランス空間では天然木のテクスチュアを間接光で表現し、自然光と人工光のバランスを大切にした空間となっている。
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6 |
ヒューリック将棋会館千駄ヶ谷ビル |
東京都渋谷区 |
大成建設株式会社 |
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審査委員からのコメント |
水平に伸びる横連窓と斜め柱により構成される施設建造物の特徴と照明との調和がうまくとれている。将棋の駒形状を適所に用いた丁寧なシークエンスデザインがされている。
全体として建築、内装、照明が相まって将棋会館としての穏やかさと品位が感じられ、施設の魅力向上に照明が大きく貢献している。
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7 |
中央大学 駿河台キャンパス |
東京都千代田区 |
学校法人中央大学 管財部調達課 井上英明
株式会社日建設計
有限会社サワダライティングデザイン&アナリシス |
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審査委員からのコメント |
都心型の高層キャンパスという特徴を生かし周囲との調和を重視した設計となっている。見え方、周囲景観との関係を十分に考慮し華美にならないよう最善に注意を払った照明計画となっていてコンセプトに則した環境が出来上がっている。縦基調で風格のある外装デザインとシースルー感のあるエントランスラウンジを引き立てる照明環境は、周囲の環境と調和しながらも独特の存在感が感じられる。輝度感を調整し華美とならない工夫がされており使用に十分な明るさやグレア抑制が冴えている。
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8 |
馬場川通りアーバンデザインプロジェクト |
群馬県前橋市 |
前橋デザインコミッション 小島 秀薫
ランドスケープ・プラス 平賀 達也
パナソニック 發田 隆治 |
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審査委員からのコメント |
街なかの小さな通りをランドスケープと照明を合わせて計画することで新たなエリアとして創出されている事例として評価ができる。適材適所の器具配置が行われ、各ポイントでの丁度良い光の設計を通して周囲と一体感のある照明空間を作り出している。夜間に水と緑を楽しめるようにした照明設計はこだわりを感じ照明によって質の高い癒し空間を作り出されている状態が想像できる。人を中心に考え、必要な場所に必要な光を配置し大人も子供もこの空間に安心して行けるような適度な明るさを目指した計画となっている。
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9 |
新宿センタービル 新宿壱番街 |
東京都新宿区 |
大成建設株式会社 西田勇人
大成建設株式会社 小椋圭介
大成建設株式会社 竹内伸介
大成建設株式会社 三宅英司 |
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審査委員からのコメント |
既存のモザイクタイルやブラケット照明を活かしつつ、新たな照明手法を導入し、地下空間にレトロモダンな雰囲気を創出している点が評価できる。間接照明やウォールウォッシャーを駆使し、閉塞感を軽減しながら、施設全体の統一感を維持している。時間帯による調光・調色制御や植栽の育成照明の工夫は、機能性と省エネ性の両立を図った好例といえる。既存設備を活かしつつ、新旧の調和を重視したリノベーションとして、今後の照明計画の参考となる事例である。
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10 |
町田市陸上競技場 |
東京都町田市 |
町田市役所 |
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審査委員からのコメント |
Jリーグ基準を満たしつつ、競技性と演出性の両立を実現した点が高く評価される。バックスタンドに新たな照明を設置し、メインスタンド側と対称的な光環境を形成した点が優れている。DMX制御により、競技用照明とフルカラー照明を細かく調整可能とし、選手入場やハーフタイムなどのスポーツシーンを演出できる設計が際立つ。照明の均一性と演色性を両立しつつ、約37%の消費電力削減を実現している点も環境配慮の面で評価に値する。
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