2022年度 東京支部 子ども向けセミナー開催報告
「光のワークショップ」
照明学会東京支部では、子どもたちに照明の魅力を伝え、関心を持ってもらうと同時に、照明によるエネルギー消費や環境への影響を知り、適切な照明の使い方を学んでもらう児童向けのイベントを開催しました。昨年度に続いて2回目の開催であり、小学1~6年生11名の参加を得て、笑顔と活気に溢れるイベントとなりました。
日時
2023年3月28日(火) 14:00~16:00
場 所
神田児童館(千代田区外神田3-4-7 昌平童夢館5階)
講 師
越智信彰氏(東洋大学 准教授)
田中清隆氏(ライティングデザイナー)
参加者
11名
実施内容
前半(50分)は、越智氏による『光の実験と光害について』であった。手回し発電機を使って、白熱電球とLED電球を点灯させることでエネルギーの比較を行ったり、RGBに発光するLEDを用いて光の3原色や混色の実験などを行った。続いて屋外照明に話を移し、街中ではたくさんの照明が使われ役立っているが、不適切な照明も多く自然環境や星空に悪影響が及んでおり、「光害」と呼ばれていることが、スライドや子どもたちへの問いかけ・対話を通して説明された。さらに天井に星空を投影することができるホームプラネタリウムと簡単な模型を使って、照明器具からの上方光束を抑えることで星空を守ることができることが、わかりやすく実演された。
後半(50分)は、田中氏による『光と影を楽しむオブジェ制作』であった。参加児童全員に透明プラスチックの小瓶が配られ、児童は思い思いの形に切ったシールやカラーフィルムを貼り付けて、オリジナルのオブジェを制作した。さらに小瓶の蓋の裏側にLEDを取り付け、影が机の上に投影されると、大きな歓声が上がった。LEDの位置や高さを変えることで、影がさまざまな表情を見せる様子に、子どもたちは目を奪われた様子であった。最後には、参加児童全員の小瓶を集めて「点灯式」を行い、照明を落とした部屋の中に色とりどりのオブジェが浮かび上がった。
参加児童へのアンケートでは「電気は、こんなにも楽しいということが知れたので、うれしいし、楽しかったです。」「照明は、エネルギーの無駄にならないように、全体を照らして夜空を見えにくくさせてしまうものではなくて、必要な所だけを照らすことができる物がいいと分かりました。」「LEDがつくには、+と-が関係していることが分かりました。色々な形をつくることで、よりきれいに見えるために様々な形で作ることができて良かったです。」などの記述があり、子どもたちは大いに楽しんで学習できた様子であった。『このようなワークショップに、また参加したいですか。』の問いには、73%の児童が「参加したい」と回答した。
本イベント開催にあたり、会場の提供を始め、多大なるご協力をいただいた神田児童館の皆様に心より感謝申し上げます。
≪セミナーの様子≫
『光の実験と光害について』
『光と影を楽しむオブジェ制作』