2024年度照明学会東京支部 施設見学会報告
「 あたらしい照明施設をみる 」
~多摩市立中央図書館の照明~
東京支部では毎年、照明で話題を集めている施設の見学会を企画開催しています。今回の企画は、2024年照明施設賞東京支部審査委員特別賞の中から特徴のある建築空間と家具が一体となった照明設備を有した「多摩市立中央図書館」を見学させていただきました。
当日は講師2名より建物概要やコンセプト、照明計画の詳細について説明を受けた後に見学を行いました。以下にその実施概要を報告します。
【実施日時】
2025年1月16日(木) 15:00~17:30 (14:30受付開始)
【参加者】
参加者 28名 支部スタッフ 6名 事務局 1名 計 35名
【場所】
「多摩市立中央図書館」 東京都多摩市落合2-35
【講師】
株式会社佐藤総合計画 阿久津 和美 氏
株式会社佐藤総合計画 酒向 真考 氏
【実施内容】
1.開会~小林支部長の挨拶
開催にあたり司会である柳田庶務幹事の注意事項等の案内に続き、小林支部長より多くの参加者への御礼に加え、貴重な視察の機会を提供して頂いた多摩市立図書館の皆様及び講師である株式会社佐藤総合計画の皆様へ感謝の意を述べました。また他地区での図書館事例の話を交えながら本日の見学会への期待を述べられました。
2.解説・施設見学
初めに活動室2・3にて配布された館のパンフレットを参照しながら酒向様より建築概要・コンセプトをお話頂いた後に阿久津様より照明計画の詳細について質疑含めて各25分間説明いただきました。また参加者には建築前に伐採された木を活用した「木のしおり」が記念品として配布されました。本施設は令和5年7月に旧西落合中学校跡地から移転、元々公園であった丘陵を利用し地下2階地上2階 約5,500㎡の面積で建設されました。特徴的なのは建物が急な斜面に半ば埋まった形で自然に馴染んだ形状になっている他、断熱に大きな役割を果たしているとのことでした。他採光や高効率空調の採用、太陽光発電による創エネにも取り組んでおり「ZEB-Ready」の認証を取得されています。1階は静寂な空間、2階は解放感のある空間としてそれぞれの特徴を持たせたものとなっています。照明計画は複雑な天井形状であることから特に鉛直面照度の確保には書架を効果的に活用している他、利用者に快適に過ごしてもらえるようにグレアへの配慮、場所に応じた照度、色温度の設定、天井面の演出を行っていました。また大きなペンダントを配置してサイン的に活用するような工夫もなされていました。
説明の後、休憩をはさみ2班に分かれて館内を見学いたしました。館の方と講師の方がそれぞれについていただき
都度、館のコンセプトや活用の実際、照明計画での苦労した点が共有されたことにより理解が深まりました。当日は休館日にご無理を申し上げ見学することになったこともあり利用者がおらず比較的自由に見学することができました。見学者の中には照度計による実照度の確認や写真撮影を積極的に行っており興味深く視察ができた事と思います。
3.閉会
最後に館長の渡邊様よりご挨拶を頂戴しました。2階の受付には照明施設賞の盾が飾られておりPRをいただいていることや周辺地域でのイルミネーションのご紹介がありました。その後ちょうど日没を迎えた外構見学を行いました。内部天井面の演出もあり建物が浮かび上がるようなライトアップとなっており周辺環境にマッチした素晴らしいものでした。
1階エントランスにて館の皆様、講師の皆様への感謝の意をお伝えし解散となりました。
4.さいごに
ご参加いただいた皆様をはじめ、多摩市立中央図書館他関係者皆様のご協力で、充実した有意義な見学会となり、当初の予定通り無事終了することができました。改めてお礼申し上げます。
<説明会・見学会写真>
小林支部長より開会挨拶
司会の柳田庶務幹事
講師の酒向様
講師の阿久津様
説明会の様子(活動室2・3)
2階見学
図書館の米山様
廃材で作られたテーブル
2階見学
2階見学
1階見学
1階見学
1階見学
1階見学
1階(新聞閲覧コーナー)
地下1階(閉架書庫)
地下2階(団体貸出室)
館長の渡邊さまよりご挨拶
藤田委員長より閉会挨拶
外観
講師の阿久津様、酒向様、図書館の米山様、渡邊様