平成23年度 照明学会北陸支部「照明施設見学研修会」の報告
(社)照明学会北陸支部では,去る12月9日(金)に平成23年度の「照明施設見学研修会」を開催した。
当日は時折雪がちらつく寒さ厳しい日であったが,30名を超える大勢の参加者が集まり,各照明施設を見学,照明設計や設備に関する情報収集を行った。
〈見学施設〉
南砺市国民宿舎 五箇山荘(平成21年度照明普及賞):
昭和54年に世界遺産五箇山合掌集落の玄関口に新築された国民宿舎五箇山荘の全面リニューアル。照明においては最新の省エネ技術を取り入れ,地場産業である五箇山和紙を活用,温もりあるくつろぎの光空間を演出している。
立業社ビル(平成22年度照明普及賞):
「北陸一のエコビル」をコンセプトに全館LED照明,屋上太陽光発電,ライトスル―ソーラーパネル付きカーテンウォール,屋上緑化,井水利用空調システム,全面吹き出し空調等を採用し,建築物の環境性能を評価し格付けするCASBEEで最高ランクのSランク認証を取得している。
富山電気ビルディング(平成21年度照明普及賞):
富山電気ビルディングは,海外・県外からの来客をもてなす迎賓館として昭和11年に日本海側で3番目のホテルとして開業した。70周年を迎えるにあたり,時代にあった照明計画を取り入れ,建物の内外の照明を大幅に改修している。
大手モールLED歩道照明(平成21年度北陸支部長賞):
昼間の景観においては歩行者が中心の賑わいのある空間にアクセントをあたえるデザイン,夜間においては適度な明るさを保ちつつ楽しさをも演出。LEDによる省エネに加えて,深夜には半分に点灯することで環境に十分に配慮した施設となっている。
富山城(平成22年度照明普及賞):
富山藩前田家の居城として藩政の中心であった富山城は明治に廃城となったが,戦後に戦災復興のシンボルとして建築され,市民の憩いの場となっている。その富山城のライトアップを,商工会議所創立130周年の記念事業として,大幅にリニューアルを行った。天守閣のライトアップにはLEDを使用し,さらに石垣,お濠も新しくライトアップすることで,街の中心シンボルとしての夜間景観を構成している。