平成26年度 照明学会北陸支部「照明施設見学会」の報告

 平成26年度の照明施設見学会が、12月11日(木)に開催された。時折雪が降る肌寒い天気ではあったが、約30名の参加者が集まり各照明施設を見学、最新の照明設 計や設備に関する資料収集、情報交換を行った。

〈見学施設〉

高岡山 瑞龍寺(平成23年照明普及賞):

 壮大な伽藍配置様式の豪壮にして典雅な美しさに圧倒されます。加賀藩百二十万石の財力を如実に示す江戸初期の典型的な建造物であり、高岡の開祖前田利長の菩提寺、曹洞宗の名刹です。3代藩主前田利常の建立で、1997年に山門、仏殿、法堂が建造物として国宝に指定されています。また総門、禅堂、大庫裏、大茶道、回廊三棟が重要文化財として指定されており、江戸初期の禅宗寺建築として高く評価されています。国宝としての雰囲気を重視した外部のライトアップは演色性を兼ね備えながら光害対策がなされ、内部は価値の高い木造建築や美術品への配慮をLEDのメリットを生かしながら厳かに照明演出がなされています。

若鶴大正蔵(H25年照明普及賞):

  若鶴酒造の酒蔵で、大正11年(1992年)に建設され、酒造りが行われてきました。その後、貯蔵庫などとして利用されましたが、2013年に改修し、資料展示室 や研修施設として生まれ変わりました。歴史的建造物のリノベーションという限られた条件のもと、極力器具を見せずにメリハリのある空間を照明効果によって演出しています。

氷見漁港場外市場ひみ番屋街(H24年照明普及賞):

  氷見の漁港に今も残る漁村らしい景観を見せる番屋をモチーフにした番屋商店街。電球色の統一や間接照明により木造建築形態の魅力を引き出し、多くの市民が集い楽しむ空間を創り出しています。

比美乃江公園展望台(H25年照明普及賞):

  ひみ番屋街近くの比美乃江公園内にある、海越しの立山連峰、唐島、里山が望める360度パノラマ展望台です。マグロ漁の際に船上に設けられた魚見やぐらをモチーフとしています。日没からのライトアップにより展望台の光の演出が夜景に彩を加え、氷見市のシンボルとなっています。

 

新湊大橋 海王丸パーク(H24年照明普及賞):

 富山新港港口部の東西地区を結ぶ日本海側最大級の斜張橋として、平成24年9月に開通。省エネ・環境・省メンテナンスに配慮したLED照明を用い、帆船「海王丸」とともに魅力的な夜間景観を創出しています。(移動バス車内からの見学のため、写真はありません)

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