一般社団法人照明学会北陸支部主催　照明セミナー2015　報告

　平成27年10月28日(水)に、金沢城に程近い石川県教育会館を会場として、照明学会北陸支部主催の照明セミナー2015が開催された。福井大学教授の明石支部長の挨拶により、セミナーは開始となった。

　セミナー第1部では、照明学会北陸支部「学生優秀論文発表賞」の受賞者表彰式が行われた。これは去る9月12日〜13日に金沢工業大学扇が丘キャンパスにて開催された平成27年度電気関係学会北陸支部連合大会において、照明部門で発表のあった中から特に優秀と認められた２件の発表に対して表彰されるものである。今年は歴史的景観と都市景観のあり方について発表を行った富山大学大学院修士課程の阿波加君と、高速道路トンネル内の照明による眠気覚醒効果について発表を行った富山大学大学院博士課程の中村君の２名が表彰された。

　続いてセミナー第2部では、照明に関する興味深い講演が２件あった。講演Iでは、「地球の光・都市のあかり」と題して、照明デザイナー・LIGHTDESIGN INC.代表の東海林弘靖氏に講演頂いた。同氏の世界各都市における色と明かりについての様々な体験からはじまり、明かりとは何か、人のための明かりとして新生児ICUでの照明設計紹介、さらに北陸において同氏が関わった照明施設について講演いただいた。

　講演IIでは、「視認性に基づいた避難経路の火災安全設計」と題して、富山大学准教授・日本火災学会理事の秋月有紀氏に講演頂いた。火災に関する貴重な統計資料から始まり、実際の火災現場での視認性調査、そして多くの貴重な測定データと分析結果をもとに、火災時の視認性確保に関する貴重な提言をいただいた。

　最後に北陸電力（株）中嶋稔支部幹事の閉会の挨拶を持って、盛況のうちにセミナーは閉会となった。