読売新聞大阪本社は、総合キャンペーン「安心のまちに」の中核事業として、防犯・防災・安全管理に関する最新の機器・システム・サービスを集めた総合展示会「みんなで守る安心のまちフェア」を開催しました。

　照明学会関西支部も、1985年(昭和60年度)の街路照明の適正化研究調査委員会に始まり、これまで実施した安全・安心に係る活動結果と対策案のパネル展示を行いました。

　また、本年は、 　

• 防犯照明の光色による評価実験報告「白色光の蛍光ランプとオレンジ色光の高圧ナトリウムランプ」
　
• 大規模災害の照明確保に関するパネル

展示状況1

展示状況2

【背景】

　私共の周辺には、街路照明・防犯照明を目的として蛍光ランプ・水銀ランプ・高圧ナトリウムランプなどの照明器具が混在しています。また、最近奈良県を中心に防犯を目的とした青色蛍光ランプが試験的に導入されつつあります。

【社団法人 照明学会 関西支部の活動内容】

(社)日本防犯設備協会 防犯照明委員会と合同で、「防犯照明の見え方に関する研究委員会」(委員長：摂南大学 教授 岩田三千子)を発足させ、最も一般的に使われている白色光の蛍光ランプ(以下FL)と主に省エネ目的で使われている高圧ナトリウムランプ(以下NH)について、歩行者の安心感や対象物の見え方などに関する評価実験を行いました。

【実験条件】

蛍光ランプ32ワットと高圧ナトリウムランプ40ワットの防犯灯各4基で、道路面の明るさを3ルクス(鉛直面照度0.5ルクス)に目標設定

【被験者】

19歳から74歳の男性56名、女性22名の計78名

【結果】

• 街路の印象評価〜全ての項目で、白色光の蛍光ランプに 高い評価が得られました。
• 見え方評価〜色の判別では、蛍光ランプの方が若干正解率が高かったが、それ以外は同評価か大差がありませんでした。
• 実験結果の評価得点の平均値を右のグラフに表します。

【まとめ】

箱の個数(模擬障害物の見え方)以外、全ての項目で蛍光ランプに高い評価が得られ、街路の照明としては高圧ナトリウムランプよりも蛍光ランプが適切と結論付けられました。最近、インバータ式点灯により高効率で省エネ、高演色 (色の見え方に優れた)のコンパクト形蛍光ランプが普及しつつあります。

防犯灯の光色の違いによる見え方評価実験風景

コンパクト形蛍光ランプ32ワット

高圧ナトリウムランプ40ワット

夜間の景観・防犯の明かりに、あなたならどちらの光色を選びますか！

＊この内容は、照明学会誌2006年7月号(p.420-423)に掲載されました。